穿孔工事施工時の注意点
コンクリートに様々な大きさの穴をあける事が出来る穿孔工事ですが、施工する上でいくつかの注意点が有ります。まず施工前の確認事項ですが、穿孔工事では材質によって作業が出来ないものが有ります。鉄筋コンクリートや石やレンガは可能ですが、木材やプラスチック、ガラスは困難です。そして、穿孔工事で躯体コンクリートに与える影響を検討し、穿孔機械が固定出来るだけの躯体強度があるかどうかも確認します。次に被穿孔物に内包されている部材や付帯設備の位置や材質を確認します。電気設備がある場合は、穿孔機械の冷却水の排水の影響を受けない場所か、若しくは養生が必要かも確認します。その他、作業場所への機材の搬出入経路や作業足場、作業用電源設備や照明の有無、騒音振動の影響なども確認しておきます。
次に作業現場での準備ですが、穿孔したコンクリート塊が落下しないように、必要に応じて安全ネットや立ち入り禁止のバリケードなどの事故防止措置を行います。また、切削汚水と穿孔したコンクリート塊の処理も必要であり、汚水の経路を作ったり、それを一時的に貯めておく場所の確保する必要があります。また、搬出するコンクリート塊の吊り込みに必要な吊り具の設置も行います。
そして作業中の注意点ですが、事前調査で確認している位置と違う位置に埋設物が出てくる恐れも有ります。もし作業中の機械に何か変化を感じた時は、一時作業を中止して、その深さでコンクリートを取り出し、埋設物と接触していないかを確認します。もし予定位置と異なる埋設物が確認された場合、それが現在使用されている部品や設備かどうか、使用されていない場合、そのまま穿孔しても問題ないか等を施設管理者等に確認する必要が有ります。