ダイヤモンドコア工事で出来る耐震診断
建築物に地震に対する一定の耐力があるかどうかを判断する手段に、耐震診断があります。耐震診断の流れとしては、構造計算書を元に既存の建物の構造計算を新耐震の設計基準でやり直し、基準を充たしているかどうかを判断します。基準が充たされていない時は、何らかの耐震補強を考えて耐震補強計画を立てます。また、もう一つの流れとして、既存の建物が構造計算書により期待できる強度を有しているかどうかの調査をすることが考えられます。建物の中には建設当初から構造計算書とは異なった強度しかなかったり、部材の劣化により強度が落ちている場合があります。現在の建物が構造計算書の通りの強度を維持しているかどうかの調査に、ダイヤモンドコア工事の技術が使えます。ダイヤモンドコア工事によりコンクリート部分に穿孔を開け、コンクリートのサンプルを取り出します。取り出したコンクリートのサンプルを圧縮試験にかけ、所定の強度が得られるかどうかを調べます。さらに、通常のダイヤモンドコア工事でも、コア抜き部分の周囲に鉄筋が入っていないかどうかを特殊な機器で調査し、鉄筋を傷つけないようにコア抜きをします。この技術は耐震診断にも応用でき、建物に鉄筋が設計図どおりに入っているかどうかの調査に使えます。鉄筋が所定の場所に入っていない場合は構造計算書の通りの耐震強度を確保できない可能性があります。ダイヤモンドコア工事は通常、設備配管を通すために行うものですが、その技術は耐震診断にも使えます。