コンクリートに穴あけをする検査用コア抜き工事について
コンクリート構造物のコンクリートの強度試験を既存のコンクリート構造物で行う場合、コア抜きによる穴あけでテストピースを採取する工事を検査用コア抜き工事と呼びます。一般的にコンクリートの強度試験というと、生コンからテストピースを作りますが、すでにある構造物の強度を調べる場合や、構造物の劣化具合を確認する場合、検査用の用途でコア抜きをする事が有ります。この場合、構造物が鉄筋コンクリート製の場合、コア抜きで鉄筋を切断しないように、事前に鉄筋調査を行います。また、鉄筋は一列とは限らず、複数列入っている場合が有りますので、テストピースの大きさが採取できるだけの、余裕のある場所を探す必要が有ります。万一鉄筋を切断する事が有れば、構造強度に影響しますので、この事前調査は非常に重要となります。また、鉄筋の入っていない、重力式擁壁などの無筋構造物の場合は、穿孔による応力の変化の生じないような場所を選んで穴あけする必要が有ります。そして、穿孔による穴あけで抜き取ったコアはテストピースとして使用する際の大きさですが、通常、直径100ミリが一般的です。そして長さは150から200ミリ必要となります。もしこれくらいの長さが取れない壁厚であれば、直径75ミリなら壁厚が120ミリ程度でも大丈夫です。また、採取したテストピースの側面が波打たないように、穿孔スピードを回転トルクが一定になるように作業する必要が有ります。そして、抜き取った後、中性化試験をする場合は、ラッピングして密閉する必要が有ります。